木育とは

木を失ってしまった現代の暮らし

日本人にとって、木は暮らしを支える大切な材料の一つでした。しかし今、私たちの暮らし、社会は「木を失って」います。

住宅は木が見えない造りになり、生活用品は安価で大量に消費された製品。都市部の街並みは綺麗に整理されているように見えて、自然や季節が感じられない。学校はコンクリート、公園では木登りもできない。

木を使わなくなった結果、管理されなくなった人工林が増え、使える大きさまで成長した樹木がそのまま放置される。伐採、加工する量が減った結果、中山間地域は働く場所が減り、過疎化のために伝統や文化までも失われようとしています。

そんな木を失った社会で育つ子どもたち。木や森との関わりが薄く、大切な体験が少なくなっていると言われます。そんな子どもたちは、将来、木や森を身近に感じてくれるでしょうか。森で起こっていることを自分ごととして考えてくれるでしょうか。

森から与えられる財産を未来へつなぐために

森は未来につなぐべき財産です。森の多面的機能は、私たちの暮らし、環境にとって欠かせないものです。木は環境にやさしく、人間の感性にあった材料であり、暮らしに豊かさと彩を与えてくれる材料です。私たちはそんな木や森をしっかりと次の世代に伝えていく責任があります。

平成16年北海道で生まれた木育。
始まりから15年以上が経ち、木や森に関わる多くの人たちの思いによって様々な取り組みが進められるようになってきました。
内容に違いはあるにせよ、その目的は、暮らしの中の木、そして自然の中の木、森と私たちの関係を見直し、より良い未来をつくることです。

木に触れ、木から学び、木とともに暮らす。
子どもから大人まで誰もが楽しみながら参加できる取り組み。
それが木育です。