木製品とSDGsについて
SDGs と木材利用のかかわり
最近注目されるSDGs。2030年までに世界中の国が達成を目指す17の目標です。貧困、ジェンダー、教育、産業、環境そして平和など、地球上のさまざまな課題を解決するための具体的目標が掲げられる中、木材の利用は、SDGsの目標のいくつかにかかわる取り組みの一つとして注目されています。
木材を利用することで達成できることの1つは環境負荷の低減です。光合成によって樹木が固定した二酸化炭素は、幹や枝に蓄積されます。これを加工した木製品は固定した二酸化炭素を保持し続けることから「二酸化炭素のかんづめ」と呼ばれることもあります。木製品を大切にしながら、伐採後にもう一度植林することで、大気中の二酸化炭素を上手に吸収、固定することができます。
また、木製品は、金属、プラスチックなどの製品よりも生産、加工時のエネルギー消費量が小さいため、木材製品の仕様が増加することで大気中への二酸化炭素の放出を減らすとともに、エネルギー消費を少なくする可能性があります。
さらに木材は、廃棄時の環境負荷も小さく、燃やしてもほとんどが水と二酸化炭素として放出されます。またその二酸化炭素ももともと大気中にあったものであり、適正な範囲の使用であれば二酸化炭素濃度の増加にはつながらないと考えられています。また、基本的に微生物が分解できるので、廃棄する場合も大きな問題を発生することはほとんどありません。
木製品が生み出す経済的循環と豊かさ
こうした木材利用の環境貢献に加えて、木製品を暮らしの中で使うということは、森林の持続的な管理と地域の活性化に向けた経済的な基盤を強化する意味もあります。社会全体の共有財産としての森林の保護や管理は、もちろん国や地方行政が支えることも大切ですが、木製品を購入することで経済的循環を生み出し、林業、地域経済を活性化することで、その持続可能性が高められます。
加えて、木材のぬくもり、触感は、私たちに豊かさを感じさせます。脱炭素社会の暮らしは、ただ我慢するというのではなく、私たちが心地よく感じられるものでなければ、持続的なものにはなりません。身のまわりに暮らしを彩る木製品をおくこと。これからの暮らしに欠かせないことではないでしょうか。
木製品を生活の中に
木製品を使うこと。それは、SDGsで示された「15 陸の豊かさを守る」という目標に深く関わることは間違いありません。それだけでなく、「12 つくる責任、つかう責任」や「13 気候変動に具体的な対策を」などにもつながる重要な行動です。
長い間、森林を伐採することは環境破壊との結びつきで考えられ、使うことに否定的な教育や報道が続いてきました。もちろん、貴重な生態系の残る自然林は将来の世代に伝えるべき大事な環境であり、しっかりと保護していく必要があります。
しかし今、木製品を使うことはSDGsの大きな鍵の1つとなっています。
「木を選び、使うこと」
それは誰にでもできる行動です。
身近なSDGsとして、ぜひ取り組んでいただければ幸いです。
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